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「私が持っている力のすべてをオーケストラの皆さんが引き出してくれた」

――ハイドンのピアノ協奏曲第11番ニ長調のピアノを演奏した高取裕美さん――

 

高取裕美

(演奏する高取裕美さん=2022年9月11日、鹿児島市の宝山ホール ©J.F)

 

「コンサートの出だしで、ハイルマン先生が指揮するオーケストラの音色に、私は感動しすぎて、ただ、それに乗っかって弾いた感じです。私が持っている力のすべてを先生とオーケストラの皆さんが引き出してくださった、そんな思いです」

 

そう話すのは、9月11日にハイルマン・オーケストラが鹿児島で開いたコンサートで、F.J.ハイドン作曲ピアノ協奏曲第11番ニ長調でピアノを演奏した高取裕美さんだ。

 

曲目が決まったのはコンサートの3ヶ月ほど前。古典の中から20分ぐらいの曲でという要望から、以前弾いたことがある大好きなこの曲を選んだ。10年ほど前、今はもう解散した鹿児島のハイドン協会のコンサートで演奏したときも、自分の力は出し切ったつもりだ。ただ、そのときは指揮者が登壇しなかったので、本格的なオーケストラとの共演は初めてになる。

 

高取裕美

©J.F

「ハイルマン先生のテンポや強弱の付け方は本当にすごいです。ほかで見たことがないし、そういう指導を受けることもあまりできない。目からうろこの連続でした」

 

4歳からピアノを始め、鹿児島大学教育学部音楽科を卒業後、奄美大島でヤマハのピアノ教室で子供たちにピアノを教えたこともある。その後、ドイツ北部のロストックの音楽演劇大学に2年半、留学し、ドイツ歌曲を中心に、歌曲解釈演奏法を学んだ。帰国後、鹿児島国際大学で声楽を教えるハイルマンと中村智子先生の伴奏員を務めている。

 

5歳と3歳の娘がいるので、なかなか自由に活動できないそうだが、「今回のようなピアノコンチェルトとか、歌曲の伴奏などができたらうれしい」という。

 

「一番好きな作曲家はモーツアルト。どの曲を聴いても、心が浄化されるというか、天国みたいな感じがする。機会があればモーツアルトを弾きたい」

高取裕美

©J.F

【コンサートのビデオはVIDEOのページにあります】

高取裕美さんのプロフィール:

鹿児島大学教育学部音楽科卒業。ピアノを山下晋、米丸鈴子各氏に師事。ヤマハ音楽教室システム講師として鹿児島県の奄美大島に3年間勤務。その後、ドイツ国立ロストック音楽演劇大学「歌曲解釈演奏科」に入学。同科のディプロム取得と同時に卒業。その間、C.デ.ブロイン氏に師事。N.シェトラー、R.ヤンセン各氏のマスタークラスを受講。現在、鹿児島女子短期大学児童教育学科非常勤講師。鹿児島国際大学国際文化学部音楽学科伴奏員。みやまコンセール協力演奏家。女声合唱団「プリマヴェーラ」ピアニスト。